おじさんニュース(今さら鋼の錬金術師に夢中な男)

 野暮用があり夜になっておじさんがやって来たので近所の公園にて少し話す。
 最近は鋼の錬金術師というアニメに夢中らしくそれを知らずについだいぶ前に
 五巻か六巻くらいまで読んだけど自分的にはあまり面白くなかったなぁと感想
 を述べたところいきなりムスっとするおじさん。彼にとっては大ヒットだった
 ようで「まるで分かってない」と言われたが別に分からなくていいやと思う。
 好みなんて人それぞれなんだし自分が気に入った物をみんなが好きであるとは
 限らないわけだ。仮に鋼の錬金術師が実は七巻からすごく楽しかったとしても
 そんな風に言われじゃ素直に読んでみようと思うほど素直でも無いのでたぶん
 鋼の錬金術師を今後読む事は無いと思われるが自分もおじさんと同様に面白さ
 を伝えるのが苦手な人間なので人に物を勧めるのを控えてみようかと思った。
 思うに面白い物って人に勧められるより自分で見つけた方が楽しさが長く続き
 結果として楽しめるのではないかと。簡単に手に入る娯楽だからこそたいして
 楽しもうと努力もせずつまらんとダメの烙印を押してしまうのではないかと。
 だから最近「何か面白い事ない?」と聞かれて「これが面白いよ」と言うのを
 止めている。なぜなら別に面白さを独り占めしようと思っているわけではなく
 その人にとって宝物が宝物になる可能性を自分が潰している気がしたからだ。
 どんな物であれ自分が心から楽しめる物に出会えたって事は素晴らしいよね。